こんにちは!アイカーマガジン編集部です!
トヨタがリリースしているミニバンの代表格が「アルファード」と「ヴェルファイア」。これら2つのモデルは広々とした室内空間と華やかなインテリアが高く支持されており、多くの方から人気を集めています。
アルファードとヴェルファイアは、新型の「4代目アルファード(40系)」「3代目ヴェルファイア(40系)」が2023年6月にリリースされています。
新型はガソリン車とハイブリッド車が用意されていますが、ガソリン車とハイブリッド車でどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、新型のアルファードとヴェルファイアのガソリン車とハイブリッド車の違いに焦点を当て、ボディサイズ、見た目や内装、燃費の良さ、そして維持費の違いを詳しく説明していきます。
比較:トランスミッション
はじめにトランスミッションです。
トランスミッションは、エンジンから出力されるパワーを車輪へ伝える役割を担っており、さまざまな部品で構成されています。
トランスミッションがあることで走行環境に応じたギアチェンジが行われ、効率良く走行できるようになります。
アルファードとヴェルファイアに搭載されているトランスミッションは、以下の2つです。
👉ハイブリッド車:電気式無段変速機
👉ガソリン車:Super CVT-i(自動無段変速機)
ハイブリッド車に搭載されている「電気式無段変速機」は他メーカーが採用している無段変速機(CVT)と比較して、高トルク車に対応できるという特徴があります。
無段変速機(CVT) | 電気式無段変速機 |
金属ベルトで構成されているため、摩擦が引き起こされやすく磨耗により部品を交換する必要がある | プラネタリウムギヤ(游星歯車)で変速を行うためメンテナンスが不要である |
比較:乗心地
トランスミッションが異なることから、ハイブリッド車とガソリン車では走り心地や乗り心地に違いがでます。
👉ハイブリッド車:静粛性や走りの質が高い
👉ガソリン車:パワーに優れた力強い印象
ハイブリッド車の特徴
ハイブリッド車はガソリンエンジンと電気モーターの2種類の動力源を使って走行をするのが特徴です。
低速走行時や停止時には電気モーターが主に動作し、ガソリンエンジンは停止(または非常に静かに動作)します。電気モーターはガソリンエンジンよりもずっと静かなので、ガソリン車よりも静粛性に優れています。
また、乗り心地に関しては、発進と同時にトルクを発生するモーターのアシストがあることからガソリン車よりも力強い発進を体感できます。渋滞発生時の高速道路や多数の信号がある市街地でもストレスフリーな走りが楽しめるでしょう。
ガソリン車の特徴
ガソリン車は常にエンジンを稼動させているため、力強さを感じられます。
2023年6月に誕生した最新型のアルファードおよびヴェルファイアには、2.5Lガソリンエンジンのみが設定されていますが十分な加速性能を備えています。
走り心地や乗り心地は、ユーザーによって好みが分かれる部分です。
比較:ボディサイズ、エクステリア、インテリア
それでは、新型アルファードとヴェルファイアのボディサイズ、エクステリアとインテリアの比較をしていきます。
ボディサイズ比較
【4代目アルファード(40系) 2023年6月モデル】
グレード |
型式 |
全長 |
全幅 |
全高 |
ハイブリッド Z |
6AA-AAHH40W |
4,995mm |
1,850mm |
1,935mm |
6AA-AAHH45W (4WD) |
||||
Z |
3BA-AGH40W |
|||
3BA-AGH45W (4WD) |
【3代目ヴェルファイア(40系)2023年6月モデル】
グレード |
型式 |
全長 |
全幅 |
全高 |
ハイブリッド Z プレミア |
6AA-AAHH40W |
4,995mm |
1,850mm |
1,945mm |
6AA-AAHH45W (4WD) |
||||
Z プレミア |
5BA-TAHA40W |
|||
5BA-TAHA45W (4WD) |
ボディサイズについては、アルファードとヴェルファイアを比較するとわずかにサイズの違いはありますが、ハイブリッド車とガソリン車の間には大きさの違いはありません。
エクステリア、インテリア比較
項目 | ハイブリッド(Z/Zプレミア) | ガソリン(Z/Zプレミア) |
エクステリア | ・ハイブリッドエンブレム(リヤ) | ― |
インテリア | ・アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付/ センターコンソール後部1個・ラゲージルーム右側1個) | ・アクセサリーコンセント(AC100V・100W/センターコンソール後部1個) |
エクステリアはリヤに取り付けられたハイブリッド専用のエンブレム以外に大きな違いはありません。
インテリアについても大きな違いはなく、アクセサリーコンセントのみ違いがあります。
👉ハイブリッド車:センターコンソール後部とラゲッジルーム右側の2ヶ所に設定されている
👉ガソリン車:センターコンソール後部の1ヶ所のみ
容量の差について
👉ハイブリッド車:1,500W(ドライヤーや電気ポットが使用できるほどの容量)
👉ガソリン車:100W(照明など消費電力が少ない一部の機器に限定されてしまう)
また、ハイブリッド車には非常給電システムが備わっており、停電や災害等の非常時には車を停止した状態で家電品の使用が可能となります。
比較:安全性能装備、その他
ドライバーは、万が一の事故に備えて安全性能装備が充実していることを重視する方が多いでしょう。
両モデルのハイブリッド車、ガソリン車ともに安全性能に優れており、最新技術が満載です。
その中でもハイブリッド車ならではの安全装備と、その他の機能の違いについてご紹介します。
項目 |
ハイブリッド(Z/Zプレミア) |
ガソリン(Z/Zプレミア) |
安全性能装備 |
・車両接近通報装置 |
― |
操作系統 |
・エレクトロシフトマチック+パドルシフト ・EVドライブモード ・シーケンシャルシフトマチック(Sモード) |
・シーケンシャルシフトマチック(Mモード) |
その他 |
・先読みSOC ・気象情報連動エアコン制御 |
― |
車両接通報装置
はじめに、ハイブリッド車ならではの安全性能装備が「車両接近通報装置」です。
ハイブリッド車は効率の良い走りを実現するために、低速ではEV走行を行いますが、EV走行は音が極端に小さいことから歩行者が気づかず、接触事故を起こす危険性があります。
車両接近通報装置は、自車が低速走行している間は電子音を出すことで車の接近を自転車や歩行者に知らせます。
シーケンシャルシフトマチック
続いて、操作系統で注目すべきポイントが「シーケンシャルシフトマチック(Sモード)」です。
この機能は、搭載されているシフトレバーを「Sモード」に入れると、加速力・エンジンブレーキ力を6段階に調整できるようになります。
スポーティーな走行を感じたいときや、下り坂など走行シーンに合わせて調整できる便利な機能です。
先読みSOC
先読みSOCは、ハイブリッド車のナビ機能に搭載されており、GPS情報からバッテリーの充放電量を効率的に制御してくれるため、より実燃費が向上する走りとなります。
気象情報連動エアコン制御
気象情報連動エアコン制御は、現在地の気象情報から車室内の湿度を推定し、ガラスの曇りなどの快適性を確保しつつ、外気の導入量を削減しエネルギーの消費量を低減します。
より低燃費に走行する支援をしてくれる、利便性の高い機能です。
比較:燃費性能
ガソリン車とハイブリッド車でもっとも大きな違いが現れるのが燃費性能。
ガソリンエンジンと電気モーターの2種類を使ったハイブリッド車は、どのくらい優れているでしょうか。
それぞれの燃費性能は以下の通りです。
40系アルファード
【 2023年6月モデル(ハイブリッド車)】
グレード |
型式 |
燃費性能 |
ハイブリッド Z |
6AA-AAHH40W |
17.7 km/L |
6AA-AAHH45W (4WD) |
16.7 km/L |
|
ハイブリッド エグゼクティブラウンジ |
6AA-AAHH40W |
17.5 km/L |
6AA-AAHH45W (4WD) |
16.5 km/L |
【2023年6月モデル(ガソリン車)】
グレード |
型式 |
燃費性能 |
Z |
3BA-AGH40W |
10.6 km/L |
3BA-AGH45W (4WD) |
10.3 km/L |
40系ヴェルファイア
【2023年6月モデル(ハイブリッド車)】
グレード |
型式 |
燃費性能 |
ハイブリッドZ プレミア |
6AA-AAHH40W |
17.7 km/L |
6AA-AAHH45W (4WD) |
16.7 km/L |
|
ハイブリッド エグゼクティブラウンジ |
6AA-AAHH40W |
17.5 km/L |
6AA-AAHH45W (4WD) |
16.5 km/L |
【 2023年6月モデル(ガソリン車)】
グレード |
型式 |
燃費性能 |
Z プレミア |
5BA-TAHA40W |
10.3 km/L |
5BA-TAHA45W (4WD) |
10.2 km/L |
結構違いますね…!!
上記の結果より、どちらのモデルもハイブリッド車の燃費性能が圧倒的に優れている結果となりました。販売価格が高い分、燃費性能に優れているため、月々の燃料費用が安く抑えられます。
これまでの両モデルには多数のグレードがありましたが、2023年6月に販売開始されたモデルは、ハイブリッド車が2グレード、ガソリン車が1グレードに絞られました。
燃費は最大 7.5km/L と優れているため、ガソリン代をなるべく安く抑えたい方はハイブリッド車を長く乗り続けることを推奨します。
比較:販売価格
先述したように、ハイブリッド車はガソリン車と比較して優れた燃費性能を誇ります。
ハイブリッド車はモーターを搭載する分のパーツを多く積んでいるため、販売価格が高くなります。
アルファードとヴェルファイアのそれぞれの販売価格は以下の通りです。
40系アルファード
【2023年6月モデル(ハイブリッド車)】
グレード |
型式 |
販売価格 |
ハイブリッド Z |
6AA-AAHH40W |
6,200,000円~ |
6AA-AAHH45W (4WD) |
6,420,000円~ |
|
ハイブリッド エグゼクティブラウンジ |
6AA-AAHH40W |
8,500,000円~ |
6AA-AAHH45W (4WD) |
8,720,000円~ |
【 2023年6月モデル(ガソリン車)】
グレード |
型式 |
販売価格 |
Z |
3BA-AGH40W |
5,400,000円~ |
3BA-AGH45W (4WD) |
5,598,000円~ |
40系ヴェルファイア
【2023年6月モデル(ハイブリッド車)】
グレード |
型式 |
販売価格 |
ハイブリッドZ プレミア |
6AA-AAHH40W |
6,900,000円~ |
6AA-AAHH45W (4WD) |
7,120,000円~ |
|
ハイブリッド エグゼクティブラウンジ |
6AA-AAHH40W |
8,700,000円~ |
6AA-AAHH45W (4WD) |
8,920,000円~ |
【2023年6月モデル(ガソリン車)】
グレード |
型式 |
販売価格 |
Z プレミア |
5BA-TAHA40W |
6,550,000円~ |
5BA-TAHA45W (4WD) |
6,748,000円~ |
上記の結果から、それぞれのモデルのハイブリッド車とガソリン車のエントリーモデルで比較するとアルファードでは80万円、ヴェルファイアでは35万円の価格差があることがわかりました。
ヴェルファイアの購入を検討しているのであれば、ハイブリッド車を選んだほうが賢明かもしれません。
また、ヴェルファイアがアルファードと比較して販売価格が高い理由は、タイヤサイズが大きいことなど走行重視の機能が付いているためです。
それぞれの特徴的なフロントマスクの好みもありますが、走行性を重視したい方は3代目ヴェルファイア(40系)を選択することをおすすめします。
比較:維持費
ハイブリッド車とガソリン車では燃費性能が異なることで年間の燃料費用に差が出ます。
ハイブリッド車のEV走行の電力は走行時のエネルギーを利用して充電を行うため、基本的に充電をする必要はなく、燃料費用はガソリン費用のみとなります。
また、燃料費用の他に自動車税にも差があるため、それぞれの年間の維持費用を比較していきます。
年間燃料費用シミュレーション
アルファードとヴェルファイアの燃料費用をシミュレーションします。
毎日の通勤や通学時の送迎、休日の買い物およびドライブなどを想定し、年間走行距離10,000 kmで計算した結果、年間燃料費用はそれぞれ以下のようになりました。
【4代目アルファード(40系) 2023年6月モデル】
項目 |
ハイブリッド |
ガソリン |
|
グレード |
ハイブリッド Z |
Z |
|
駆動方式 |
2WD |
||
燃費 |
17.7 km/L |
10.6 km/L |
|
年間走行距離(日常/レジャー/通勤) |
10,000 km |
||
燃料価格 |
165円/L |
||
年間燃料費用 |
93,220円 |
155,660円 |
【3代目ヴェルファイア(40系) 2023年6月モデル】
項目 |
ハイブリッド |
ガソリン |
|
グレード |
ハイブリッドZ プレミア |
Z プレミア |
|
駆動方式 |
2WD |
||
燃費 |
17.2 km/L |
10.3 km/L |
|
年間走行距離(日常/レジャー/通勤) |
10,000 km |
||
燃料価格 |
165円/L |
||
年間燃料費用 |
95,930円 |
160,194円 |
自動車税
自動車税は、自動車の所有者が1年周期で支払う税金で、道路整備や交通インフラの維持などに使用されます。排気量に基づいて算出されるため、総排気量が多い車ほど自動車税が高くなる傾向があります。
【排気量別 自動車税】
総排気量 | 自動車税 |
1,000cc以下 | 25,000円 |
1,000cc超1,500cc以下 | 30,500円 |
1,500cc超2,000cc以下 | 36,000円 |
2,000cc超2,500cc以下 | 43,500円 |
2,500cc超3,000cc以下 | 50,000円 |
3,000cc超3,500cc以下 | 57,000円 |
アルファードおよびヴェルファイアの両モデルは総排気量「2,000cc超2,500cc以下」に該当するため、自動車税が43,500円となります。
車検費用
自車の安全面などが国の定めた基準をクリアしているかを検査する車検は、所有者の義務です。新車購入後3年目、それ以降は2年ごとの周期で行われます。
車検は依頼する業者やその他条件により費用傾向が異なります。
項目 | 費用が高くなる傾向 | 費用が安くなる傾向 |
車検を依頼する業者 | カーディーラー | ガソリンスタンド 整備工場 |
車検時に使用する部品 | メーカー純正 | 社外品 中古品 他 |
年式 | 低年式 | 高年式 |
走行距離 | 過剰走行(10万kmが目安) | 短い走行 |
費用が安いと中古品などが使用されることがあるため、大切に車を乗り続けたい方には、メーカー純正の部品で最新の整備を受けられる整備工場やディーラーでの車検をおすすめします。
項目 | ハイブリッド | ガソリン |
自動車重量税 | 約37,500円 | 約61,500円 |
自賠責保険 | 約18,500円 | 約18,500円 |
印紙代 | 約1,000円 | 約1,000円 |
車検基本料金 | 約18,000円 | 約18,000円 |
両モデルの車検費用はディーラー価格を想定するとハイブリッド車は7.5万円前後、ガソリン車は9.9万円前後となります。
その他の費用
ハイブリッド車は国の環境基準を満たすと税金が免除または軽減されるエコカー減税の対象になります。
アルファードやヴェルファイアのハイブリッド車はエコカー減税対象車となるため、新規登録時に支払う自動車重量税37,500円が優遇され0円となります。
維持費のまとめ
アルファードおよびヴェルファイアのハイブリッド車とガソリン車の維持費用をまとめると以下の通りです。
【4代目アルファード(40系) 2023年6月モデル】
項目 |
ハイブリッド |
ガソリン |
|
燃料費用 |
93,220円 |
155,660円 |
|
自動車税 |
43,500円 |
||
車検費用 |
7.5万円 |
9.9万円 |
|
エコカー減税(新車購入時) |
-3.8万円 |
― |
【3代目ヴェルファイア(40系) 2023年6月モデル】
項目 |
ハイブリッド |
ガソリン |
|
燃料費用 |
95,930円 |
160,194円 |
|
自動車税 |
43,500円 |
||
車検費用 |
7.5万円 |
9.9万円 |
|
エコカー減税(新車購入時) |
-3.8万円 |
― |
まとめ
本記事では、新型アルファードとヴェルファイアの「ガソリン車とハイブリッド車の違い」をご紹介しました。
燃費性能、販売価格、維持費用には違いがあり、ボディサイズやデザインに大きな違いはないことがわかりました。
購入を検討するときには、自分の予算などを考慮し、それぞれの購入を検討してみてください。