こんにちは!アイカーマガジン編集部です!
寒く厳しい冬が過ぎて暖かい春になると、ドライブや買い物、そして新生活の始まりなどで車を使った外出が増えていきます。
車の使用頻度が増える前に、しっかりと点検を行い、トラブルが起きないようにしておきたいところです。
そこで、本記事では春になる前に行っておきたい車の点検詳細と、点検を行う理由についてご紹介します。
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春までに点検を行う理由
車は定期的に点検を行う必要がありますが、春が訪れる前に実施することが推奨される理由がいくつかあります。
1.厳しい冬を乗り越えた直後であるから

冬は車にとって過酷な季節です。
寒冷地では積雪や氷、さらには凍結防止剤として使用される融雪剤(塩化カルシウム)などが車のパーツにダメージを与えます。
これらが車体に影響を与えていないか、春になる前にしっかりと必要な点検を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
2.春になると走行距離が増えるから
春は旅行やドライブに最適な季節です。暖かくなると外出の機会が増え、走行距離も増加します。
走行が増える前に車両を点検することで、その後の運転を安全に行うことができるようになります。
春になる前に行いたい点検項目
春になる前に行っておきたい点検項目を以下に7つご紹介します。
快適なカーライフを継続していけるよう、ぜひ愛車をチェックしてみてください。
チェック箇所 |
チェック事項 |
1.タイヤ |
空気圧 |
溝の深さ |
|
ローテーション |
|
2.バッテリー |
バッテリー溶液の残量 |
電圧 |
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3.融雪剤の除去 |
ボディ下の洗浄 |
4.エンジンオイル |
オイルの量 |
オイルの汚れ |
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5.ワイパー |
冬用ワイパーから通常のワイパーへの取り換え |
破損の確認 |
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6.エアコンフィルター |
汚れ具合 |
7.UV対策 |
ヘッドライトのコーティング |
タイヤ保管は日光が当たらない場所を選ぶ |
1.タイヤ
寒冷地では春になるとスタッドレスタイヤからノーマルタイヤに交換を行います。
その際に、空気圧やタイヤの溝、タイヤローテーションについてチェックを行いましょう。
空気圧

タイヤ交換を行った場合には必ず空気圧のチェックを行いましょう。
タイヤを放置していると、空気がどんどん抜けていきます。
空気圧が低いまま車を運転し続けると、燃費が悪くなってしまい、最悪の場合はバーストを起こす原因となってしまいます。
タイヤの適切な空気圧は車種やタイヤのサイズによって異なります。
国産車の場合は、運転席側のドアを開けたピラー部にステッカーとして貼られていますので確認してください。ちなみにピラーとは車の屋根とボディをつなぐ柱のような部分です。
ステッカーが見つからない場合は、取扱説明書やディーラーに聞いてみると良いでしょう。
空気圧はカー用品店やガソリンスタンドで入れることが可能です。
ガソリンスタンドによっては空気圧の点検、充填は無料で行ってくれますが、有料のところもあるため事前に確認しておくと良いでしょう。
タイヤの溝

タイヤの溝もタイヤ交換時に確認するべき項目です。
溝が浅くなると制動性が悪くなり、特に雨の日にはハイドロプレーニング現象(タイヤが水を排出しきれず、水たまりに浮いた状態となり、制動が効かなくなること)を引き起こす原因になります。
ノーマルタイヤは、溝が1.6mm未満だと道路交通法に違反となり、車検も通りません。
新品の時には8mm~10mm程度の溝がありますが、4mmを切っていれば新品のタイヤに交換することをおすすめします。
確認する方法としては、デプスゲージ(タイヤゲージ)を用います。カー用品店やネット通販で1,000円前後から販売されているので、用意しておくと良いでしょう。
また、1.6mmの判定については「スリップサイン」を確認することでも行えます。
スリップサインはタイヤの溝の中に設けられた突起であり、タイヤが摩耗することで表面に露出するようになります。
スリップサインが露出したら、溝の残りが1.6mmを切ったということになるので、タイヤを新品に交換しましょう。
スタッドレスタイヤはノーマルタイヤと異なり、溝が新品時の半分になるまで使うことができます。
目安としては、「プラットフォーム」と呼ばれるスリップサインのようなものがスタッドレスタイヤにはつけられているので、そちらを確認するようにしてください。
タイヤのローテーション
ノーマルタイヤへ交換をする際には、タイヤのローテーションも意識しておきましょう。
ローテーションとは、タイヤの左右前後の位置を前回の位置と変えることをいいます。多くの車はFF車(前方に重たいエンジンが搭載され、前輪が回転するタイプ)なので、前輪の摩耗が激しくなります。
タイヤ交換の機会に前後左右のタイヤを入れ替えることで、タイヤを長く使用することができます。
前回はどの位置に使用していたかを、テープなどに書いて貼っておいて確認しやすいようにしておきます。
ローテーションに決まった順番はありませんが、FF車の場合は、前輪のタイヤはそのまま後輪へ移動させ、後輪のタイヤは左右入れ替えながら前輪に取り付ける順番が理想的です。
FR車(エンジンは前方にあり、後輪が回転するタイプ)や4WD車の場合はその反対で、後輪をそのまま前輪へ移動させ、前輪は左右を入れ替えて後輪へ取り付けるようにします。
なお、種類は少ないですが、タイヤの中には回転方法が決まっているものがあります。このタイプのタイヤの場合は、左右は入れ替えずに前後だけローテーションさせるようにしましょう。
2.バッテリー

冬の寒さで弱っていることがありますので、バッテリーも春になる前に確認しておきたい部位です。
バッテリーが切れてしまうとエンジンを始動させることができません。バッテリーの電圧を測定し、必要ならば交換や充電を行いましょう。
JAFが公開している資料によると、一般道でJAFが出動している原因の1位が「過放電バッテリー」(34.75%)となっており、出動の3件に1件がバッテリー切れとなっています。(参照:JAF「よくあるロードサービス出動理由」)
一般的に車のバッテリーの寿命は2〜3年といわれています。そのため、冬には車に乗らないという方は、特にチェックをしておきたいところです。
バッテリーの消耗具合の確認は、エンジン始動時の反応やライトが暗くなる、窓の開閉動作が遅いなどの予兆から判断することもできますが、より確実に行う場合にはバッテリー液の残量を確認したり(点検フリータイプは除く)、バッテリーチェッカーを用いることで把握することができます。
3.融雪剤の除去

雪国では、雪が降ると融雪剤を道路に散布することが一般的です。融雪剤は道路が凍結するのを防ぐ効果がありますが、主な原料は塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの塩化物となっています。
こうした塩化物は、車のボディやマフラー、その他の下回りに使われている鉄を錆させる要因になってしまうため、春になる前に洗浄して落としておく必要があります。
業者に本格的な洗浄や錆止めを依頼するのが理想ですが、予算的に厳しければ洗車機を活用しましょう。
ほとんどの洗車機には下回り洗浄の機能がついているので、そちらを利用することで融雪剤の除去は可能です。
4.エンジンオイル

エンジンオイルは車のエンジン内部を洗浄したり、冷却したりする役割があります。
エンジンオイルは一定の距離毎に交換するイメージをお持ちの方が多いと思いますが、冬は暖機運転などでエンジンをアイドリングさせていることが多いため、目安の走行距離に達していなくても消耗や劣化が進んでいることがあります。
春以降は走行距離が増え、気温が高くなることからエンジンオイルの冷却機能がより必要になるため、このタイミングでチェックしておきましょう。
エンジンオイルの点検は、エンジンルームにある「オイルレベルゲージ」という棒を用いて行います。オイルレベルゲージには、エンジンオイルが適量入っているか確認できる目盛りがついているため、十分な量が入っているかの確認を確実に行いましょう。
エンジンオイルの劣化具合や汚れ具合は、定期的に確認をするようにしておけば、その変化も分かるようになります。しかし、最初は素人目で判断するのは難しいところもあるので、プロに行ってもらうのも良いでしょう。
5.ワイパー

ワイパーはオールシーズンで使えるものが基本ですが、凍結に強い冬用のものも販売されています。
雪の多い地域では、冬の間に雪の重さなどでワイパーにダメージが蓄積しており、そのまま春以降にも使い続けると異音の原因となります。
ワイパーゴムに切れ目が入っていないか、ワイパーブレードが屈折していないかなどを確認し、必要に応じて新しいものに交換をしておきましょう。
ワイパーの交換は車種によって異なりますが、それほど難しいものではないので、ご自身で行うこともできます。
ただし、ゴムを外した状態でワイパーブレードをフロントガラスにぶつけてしまうと、傷やひび割れの原因となるので慎重に行ってください。
6.エアコンフィルター

冬と夏にはエアコンの使用頻度が高くなります。
そのため、寒い冬を乗り越えたエアコンフィルターは汚れが溜まっています。特に、春前は花粉や黄砂がひどい時期でもあるので、この時期にエアコンフィルターの点検・交換を行っておきましょう。
車種にもよりますが、エアコンフィルターは一般的なもので1,000円〜3,000円程度で販売されています。
交換を依頼すると、工賃として3,000円〜8,000円前後かかりますが、自分でも行うことができます。10分~15分もあれば行えるため、費用を抑えたい方は手順を確認してみると良いでしょう。
7.UV対策
紫外線は車にとって有害です。点検というよりも対策となりますが、紫外線対策を行うことで車へのダメージを軽減することができます。
紫外線というと特に夏場に強くなるイメージがあると思います。
しかし、実は気象庁が公開しているデータによると、4月の最大UVインデックスは8月とほとんど変わらないレベルとなっているのです。(参照:気象庁「日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ」)
そのため、紫外線対策は春前に行っておきましょう。
ヘッドライトのコーティング

紫外線が車に与える悪影響の一つが、ヘッドライトの黄ばみです。ヘッドライトは素材としてポリカーボネート樹脂を使用しています。
ガラスよりも強度があり、破損した場合にも破片が飛び散らないことが特徴です。
しかし、ポリカーボネート樹脂は紫外線に弱いため、対策を何もしていないと数年で黄ばみが起きてしまいます。
ヘッドライトが黄ばんでしまうと、見た目としても古びて見えてしまうばかりか、夜間の照明性能が落ちてしまうため危険です。
対策としては、ヘッドライト用のコーティング剤を塗ることです。
ボディと違い、加工する面面積が小さいので、個人でも十分に行うことができます。価格も2,000円程度で販売されているので、比較的手軽に揃えることができます。
タイヤは日光の当らない場所に保管する

ゴムが原材料となっているタイヤも、紫外線によりダメージを受けやすい部位です。
スタッドレスタイヤはノーマルタイヤよりも柔らかく、それが氷結路での走行性を高めています。
そのため、紫外線によりゴムが硬化してしまうとスタッドレスタイヤとしての性能が落ちてしまいます。
タイヤ交換で取り外したスタッドレスタイヤは、日光の当たらない場所で保管するようにしましょう。
まとめ
本記事では、タイヤやバッテリー、エンジンオイルなど様々な項目についてお伝えしました。
車は定期的に点検を行うべきものですが、寒い冬を越え、走行距離が増える春になる前にも、ぜひ実施しておきたいものです。
基本的に点検までは自分で行えるものが多く、交換についてもワイパーやエアコンフィルターについては可能なので、費用を抑えることができます。
春になる前に車の点検をしっかりと行うことで、安全で快適なドライブが楽しめますので、今回紹介したチェックリストを参考に愛車を確認してください。