新型と旧型を比べれば、例外なく新型の方が優れているのが自動車です。しかし、例外が一つあります。それは価格です。新車で300万~400万円という高額車の部類に入るアルファードは、大きなミニバンが欲しいと思っても簡単には手が出ません。
先代モデルを中古で買うという選択
そこで考えるのが中古車ならどうかという事です。さほど魅力が変わらなければ5~6年落ちの先代モデルでも良いのではないか。中古車市場では2008年型の前期モデルが30万円程度から流通しています。そこで、アルファードの現行モデル30系と、先代にあたる20系を比較してみます。
大きさと広さ
2008年から2015年にかけて発売されていた、先代アルファード20系と現行モデルの30系を、サイズから比較すると、たしかに現行モデルの方が大きいのですがその差はわずか。ほとんどはデザインの違いで生じたもので、唯一全高が低くなって見た目の安定感がありますが、低床化によって室内高は同水準となっています。
では室内の寸法はどうでしょうか。室内の長さは50mmほど長い点以外は、高さも頭上のスペースもほとんど変わりません。室内の空間で考えれば旧型でもまったく問題ないと言って良いでしょう。
<先代> 20系 アルファード | <現行> 30系 アルファード | |
全長 | 4,840mm | 4,945mm |
全幅 | 1,830mm | 1,850mm |
全高 | 1,850mm | 1,800mm |
ホイールベース | 2,950mm | 3,000mm |
室内長 | 3,160mm | 3,210mm |
室内高 | 1,400mm | 1,400mm |
ヘッドルーム前 | 1,050mm | 1,040mm |
ヘッドルーム後 | 1,130mm | 1,120mm |
パワーユニット
現行モデルでは、ハイブリッドモデルはエンジンをアトキンソンサイクル仕様に変更したことなどでJC08モードで17.0km/Lの燃費を19.4km/L向上。2.4Lガソリンモデルはエンジンを2.5Lに置換し、Super CVT-iやアイドリングストップ機能を設定。3.5Lガソリンモデルは変更ありませんが6 Super ECTにしたことで全体の燃費を向上させています。
20系に比べて30系では少しずつ燃費やパワーは進化していますが、その差はびっくりするほどではなく、しかしミッション等が新しくなったことでドライバビリティの向上はあるものの、実用燃費では差はないと思われます。
安全性能とまとめ
ここまで見てくると、先代モデルの20系も現行モデルの30系に遜色ない性能と機能を備えていて、旧型の中古車でもいいかなと思われる方も多いと思います。しかし、大きな違いが安全性能にあります。
20系はサイドカーテンエアバッグ等の採用で高い安全性能が評価されていましたが、30系の最新バージョンでは「トヨタセーフティーセンス」を標準装備させるなど、その安全装備が格段に進歩しています。
この部分の技術は日進月歩であり、30系でもデビュー当時と最新モデルではまったく異なります。車選びで何を優先するのか、真剣に検討する必要がありそうです。