ミニバン・SUV車の盗難対策!盗難の手口と対策方法とは?

ミニバン・SUV車の盗難対策!盗難の手口と対策方法とは?

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こんにちは!アイカーマガジン編集部です!

車を購入すると納車が待ち遠しく感じる一方で、盗難を心配する方もいるかと思います。特に人気車種や高級車のオーナーは、大切な愛車を守るためにも対策を検討しておきたいところです。

そこで本記事では、最近の車の盗難状況やその手口、具体的な対策方法について詳しく解説します。

盗難の実情

警察庁の調査によると、2023年の自動車の盗難件数は5,762件となっており、毎日15件以上の被害が起きている計算です。2003年では64,223件あった被害件数は20年で1/10以下まで減少してきました。

しかし、2022年以降で件数が微増していて、これにはコロナ感染症による入国制限の緩和が影響している可能性があるため、今後も注視していく必要があります。

エリア別で見ると、自動車の窃盗は特定の地域に集中している傾向が見て取れ、千葉県、愛知県、埼玉県、茨城県、神奈川県で全体の55.6パーセントを占めているようです。

(参考:令和6年3月警察庁生活安全課「車名別盗難台数の状況」)

これは、

  • 「ターゲットとする車の台数が多い」
  • 「交通網が整っていて、窃盗後に搬送しやすい」
  • 「広く平らな地位であり、作業を行うヤードを構えやすい」
  • 「貿易拠点が近く、輸出ルートを確保しやすい」

などのことが理由として挙げられます。

よって、上記の地域にお住まいの方は、特に自動車の窃盗に対して対策を考えた方が良いといえるでしょう。

盗難されやすい車種はどういった車種?

盗難されやすい車にはどういった特徴があるのでしょうか。

以下の2023年と2022年の盗難台数のデータから、やはり高級車や人気車種が挙げられていることがわかります。

【2023年の盗難車両ランク】

順位車名盗難台数1,000台あたり
1アルファード700台0.9台
2ランドクルーザー643台2.2台
3プリウス428台0.2台
4レクサスLX261台32.7台
5ハイエース180台0.2台
(出典:令和6年3月警察庁生活安全課「車名別盗難台数の状況」)

【2022年の盗難車両ランク】

順位車名盗難台数1,000台あたり
1ランドクルーザー710台2.6台
2プリウス477台0.2台
3レクサスLX344台52.7台
4アルファード330台0.4台
5レクサスRX188台1.8台
(出典:令和6年3月警察庁生活安全課「車名別盗難台数の状況」)

直近の台数では「アルファード」が最も盗難に遭いやすく、2023年では実に700台がその被害に遭っています。

また、「レクサスLX」や「レクサスRX」、「ランドクルーザー」といった高級車も上位にランクインしており、やはり高額な車は盗難に遭いやすいことがわかります。

とりわけ、レクサスLXは1,000台あたりの被害件数が52.7台(2022年)となっていて、その他の車種を大きく上回っています。

また、比較的大衆的な車として認識されているプリウスが2023年と2022年の両方で2位に入っていることも注意が必要です。

燃費の良いプリウスは海外でも人気が高いことに加え、触媒コンバーターなどの部品にも需要があるためです。

車両の形態別でみると、SUVやミニバンといった人気のあるものが集中していることが分かります。また、すべてトヨタ車というのも、世界での需要を考えると納得の結果ともいえるでしょう。

盗難の手口

車を盗難する手口にはどのようなものがあるのでしょうか。

手段を知ることが対策の第一歩となります。

近年は窃盗の手口が巧妙化しており、以下のような方法が使われています。

リレーアタック

リレーアタックは以前からある車の窃盗手口の一つです。

現代の車では、多くにスマートキーが採用されています。スマートキーは微弱な電波を用いてカギの解錠やエンジンをかけることができるものですが、リレーアタックではこの仕組みを悪用するものです。

リレーアタックでは、特別な機械を使ってこの弱い電波を受け取り、増幅して中継します。

これにより、スマートキーが車から離れていても、車に電波を送ることができ、ドアのロック解除やエンジンをスタートさせることができてしまうというわけです。

リレーアタックの特徴としては、犯行にかかる時間が数十秒ととても短いこと、犯行には「中継役」と「窃盗役」など複数の人で行われることが多いことがあります。

コードグラバー

コードグラバーもスマートキーの仕組みを利用した方法です。

スマートキーが出す弱い電波から信号を読み取り、同じ信号を持つキーを作ることで、車のロックを破るというものです。

窃盗犯は、車の持ち主がドアをロックしたときにスマートキーから出る信号を受信し、その信号を使って車を盗みます。

リレーアタックと違い、スマートキーが出す電波をそのまま使うのではなく、キーを複製することで、単独犯でも犯行が行えますし、キーを使って堂々と乗り込めるために周囲からも違和感を感じられにくいという特徴があります。

CANイノベーター

CANイノベーターは、車の内部ネットワーク(CAN)に侵入して電子制御システムを操作し、車を乗っ取るという手法です。

近年、CANイノベーターを用いた窃盗が増加してきています。

CANとは、車の動きを制御するネットワークのことです。CANイノベーターでは、その中でも自己診断を行う「OBD2」というシステムに不正に接続して悪事を働きます。

最近の車は電子制御が行われ、便利に利用できるようになっています。しかし、それを逆手に取り、コンピューターに侵入することで車全体をコントロールしてしまうのです。

CANイノベーターが成功してしまうと、窃盗犯はドアの開閉だけではなくスペアキーまで作成することが可能です。

CANインベーダーは、車の横に人が一人立てるくらいのスペースがあれば1人でも作業ができ、犯行にも時間が掛からないということから、一度狙われると被害に遭う可能性が高いという難点があります。

ただ、窃盗犯がこのCANイノベーターを用いる場合、車種ごとのシステムを解析する必要があり、これには数百万円〜数千万円かかるとされています。

そのため、CANイノベーターを用いて狙われる車両はある程度限られていると見られています。

各盗難の対策をご紹介!

こうした車両盗難を防ぐためには、どういった手法があるのでしょうか。

もし、ガレージや車庫が用意できる方はそれが一番の方法です。窃盗犯は物理的に車に近づくことができないため、これまで解説した窃盗手段が使えません。

ただし、こうした対策を取れる方は限られています。それでは、ガレージを確保できない人にはどのような対策が考えられるのでしょうか。

具体的な対策方法をご紹介します。

リレーアタックの対策は?

リレーアタック対策の有効な方法は、「キーから発信される電波を拾わせない」ということです。

リレーアタックは、キーから発信される微弱な電波を捉えて車までつなげるというものなので、その電波を掴ませないことが最良の対策といえるのです。

具体的な方法としては、まず犯人が電波を捉えやすくなるドアや窓の近くにキーを置かないようにしましょう。

そして、電波を遮断できるケースにキーを保管するとさらに効果的です。待機中のスマートキーの電波は微弱なため、金属製の缶に入れるだけでも遮断することが可能です。

確実に電波を遮断しているか確認したい方は、スマートキーをケースに入れたまま車に近づいてドアが解錠できるか確認してみると良いでしょう。反応がなければ電波の遮断に成功したといえます。

また、そもそもスマートキーには電波を発生させない「節電モード」が搭載されているので、その機能を使うことで同様の効果を期待することができます。(節電モードの使い方は車種によって異なるため、取扱説明書をご確認下さい)

ただ、毎回設定する必要があるので、面倒に感じる方は先の置き場所を工夫する方法を検討してみてください。

コードグラバーの対策は?

コードグラバーの対策には、「ハンドルやタイヤロックを使う」ことや「セキュリティアラームを導入する」、「防犯カメラを設置する」ことなどが挙げられます。

リレーアタックとは違い、外出中にスマートキーを使うことで電波を捉えられる可能があるため、スマートキーの電波を遮断しても不十分です。

また、これらの方法はコードグラバーだけではなく、リレーアタックやCANイノベーターなどの手法にも有効な手法となります。

1.ハンドルロックをする

ハンドルロックは、その名の通り車のハンドルを物理的にロックすることで、窃盗時の車の操作を難しくするアイテムです。

車を降りる度に毎回設置しないといけないという手間が発生しますが、これまでの対策法よりも比較的安価に取り入れることが可能です。

外部から見ただけで対策を施していることが分かるため、一定の高価が期待できるでしょう。ハンドルロックは他の対策法と組み合わせて活用することで、さらに高い効果を発揮します。

2.タイヤロックをする

タイヤロックはハンドルロックと同様に、タイヤをロックすることで、盗難時の車の移動を防ぎます。

外部から対策を取っていることが分かりやすいため、窃盗犯に対して対策が取られている車両であることをアピールすることができます。

一方で、ハンドルロックよりも大型となるため、毎回設置する手間が発生することと、タイヤに設置するために無理やり発進した場合にタイヤロックが破壊されてしまう可能性がある点に注意が必要です。

しっかりとした強度があるものを選ぶようにしましょう。

3.新車購入時にセキュリティアラームをつける

画像引用:トヨタ セキュリティシステムページ

自動車メーカーにて窃盗防止のためのセキュリティをオプションで取り付ける方法があります。純正オプションとなるため、対象となる自動車との整合性に問題が起こる心配がなく、セキュリティとしての品質も高いことがメリットとなります。

一方で、セキュリティの仕組みが一度解析されてしまうと、同じ車両のセキュリティが破られやすくなるといったデメリットも存在します。

例えば、トヨタ自動車ではCANイノベーターに対応した後付けできるセキュリティシステムを15,500円(税抜)で販売しています。※2024年現在

対応する車両はアルファードやクラウン、プリウス、ランドクルーザーといった一部の車両となりますが、該当する車両のオーナーはぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

4.専門業者によるセキュリティアラームを設置する

車両に設置するセキュリティアラームは、自動車メーカー以外でも取り付けることができます。メーカーの純正品と異なり、取り付ける業者によって機器や場所が異なるため、窃盗犯からすると対策が取りにくいというメリットがあります。

デメリットとしては、純正のセキュリティシステムよりも高価になりやすいということと、取付業者によって品質や保証が異なることが挙げられます。

5.GPS装置を設置する

車にGPS発信機を取り付けておけば、スマホやパソコンでリアルタイムに現在地を確認することができます。盗難被害にあった際に車の位置が分かるため、警察や警備会社に迅速に連絡し、対応を依頼することも可能です。

盗難者がジャミング装置を使用した場合にはGPS信号が遮断され、位置情報が取得できなくなる可能性があるほか、高性能なGPS装置は高価であり、設置費用や月額料金がかかることがあることに注意が必要です。

CANイノベーターの対策

CANイノベーターの対策はコードグラバーと同様です。

ハンドルロックなど車体に対策を施すことで盗難を防ぐことになります。

強いて言えば、コードグラバーよりも犯行時に車両付近で作業を行う時間がかかることから、防犯カメラや動きに反応して光るライトを設置することが効果的であると考えられます。

その他の対策

これまでにご紹介した対策以外にも、条件が揃えば実践できる強力な対策や、犯人の警戒心を利用して安く取り入れることができる対策をご紹介します。

家族の車でバリケードをつくる

家族で複数台の車を所有している場合、盗難に遭いやすい車の前に家族の車を停車させておくことで盗難対策にすることができます。(家族の車が盗難に遭いにくい車両であることが前提です)

カーショップやレンタカーショップでも用いられている方法で、閉店後の店舗の駐車場を車両で塞いでいる光景を目にしたこともあると思います。

一度に複数台の車両を不正に動かそうとなると、事前準備も手間がかかりますし、犯行時にも時間がかかってしまうため、盗難対策としての効果は高いといえるでしょう。

ダミーランプ、ダミーカメラ

窃盗犯はセキュリティ対策が施された車両を嫌います。

そのため、窃盗犯に対して「この車はセキュリティ対策がしっかり取られている」と思わせることで被害を未然に防ぐことができます。

可能であればしっかりとした防犯対策アイテムを導入したいところですが、複数の対策を施そうとすると費用もかなり掛かってしまいます。

そこで考えられる方法が、ダミーの点滅ライトや防犯カメラです。

万が一窃盗に遭った場合には無力ではありますが、他の本物の防犯対策(例えばハンドルロックやタイヤロック)と併用することでコストパフォーマンスのよい手段となるでしょう。


車の盗難防止グッズをいくつかご紹介しました。

他にもこうしたアイテムはいくつも存在していますが、特に車両に直接設置する機材を購入する際には、車検対応のものを選ぶことを忘れないでください。

まとめ

ミニバンやSUV車に限らず、高級車・人気車種は今も昔も窃盗の対象となりやすい車両です。

この20年間、車の盗難件数は減少傾向にありましたが、この2〜3年は再び上昇傾向にあります。

近年ではその手口も巧妙化してきています。「これだけやれば大丈夫」といった対策はありません。

愛車を盗難から守るには、様々な方法を組み合わせることでより高い効果を期待することができるようになります。

ぜひ本記事を参考に、効果的な対策を取り入れることで、愛車を盗難から守ってください。

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