【ユーザー車検】乗用車と軽自動車の費用と流れは?

【ユーザー車検】乗用車と軽自動車の費用と流れは?

こんにちは!アイカーマガジン編集部です!

車検=ディーラーや車の整備店で行うものという認識をお持ちの方は多いでしょう。

しかし、実際には車検の受け方は大きく分けて2種類あり、上記の一般的な車検は「ディーラー車検」と言い、もう一つに自分で車検を受ける「ユーザー車検」という方法があります。

陸運局や軽自動車検査協会に直接持ち込むことで、ディーラー車検と比べて費用や期間を抑えることができるというものです。

本記事では、そもそもユーザー車検とは何なのか、ディーラー車検との違いやユーザー車検の流れなどを詳しくご紹介します。

ユーザー車検とは?

ユーザー車検とは、ディーラーや整備店に依頼することなく自ら手続きを行い、検査を受ける車検のことを指します。

検査予約や事前準備までをすべて自分で行い、陸運局または軽自動車検査協会に車を持ち込むことで車検を受けることが可能です。

ディーラー車検との違いは?

ユーザー車検とディーラー車検の最も大きな違いは、検査を自分で行うか専門業者に代行してもらうかという点です。

ユーザー車検は予約や準備、検査場への持ち込みまですべて自分自身で行い車検を受けるのに対し、ディーラー車検はディーラーや整備店に車を預けることで、予約から検査場への持ち込みまですべて代行してもらえます。

ディーラーや整備店での車検は、依頼者の手間がかからない代わりに「代行手数料」や「部品交換料(任意)」がかかるため、ユーザー車検と比べて車検代金は高くなることがほとんどです。

また、整備項目にも違いがあります。ユーザー車検では陸運局が車検に必要な項目だけを確認しているのに対し、ディーラー車検では、より安心して車に乗れるように部品の交換や修理を提案する「予防整備」をする場合が多いです。

ユーザー車検のメリット

ユーザー車検のメリットは主に以下の3つです。

  1. 車検にかかる費用が節約できる
  2. 車に関して詳しくなれる
  3. 車検にかかる時間を短縮できる

それぞれ詳しく解説していきます。

1.車検にかかる費用が節約できる

ディーラー車検の場合、自賠責保険料などの法定費用と部品交換代のほかに「車検代行手数料」「定期点検料」といった車検基本料金がかかります。

これらの費用は車種や車検に出す場所(ディーラー、整備店など)によっても差がありますが、目安として15,000円〜100,000円ほどかかる場合があります。

ユーザー車検の場合、代行にかかる手数料が発生しないため、その分安く車検を受けることが可能です。

2.車に関して詳しくなれる

ユーザー車検の場合、お店に任せていた予約や準備を自分で行うだけでなく、車の税金や保険の対応もすることになるため、車に関する知識を身につけることができるでしょう。

車検を通して自分の車の状態にも詳しくなれることは、大きな利点の1つと言えます。

3.車検にかかる時間を短縮できる

ディーラー車検では即日検査をすることが出来ないため、車検完了までに少なくても2〜3日かかることが多いです。

その点、ユーザー車検は直接検査場に車を持ち込むため、検査項目に不備がなければ1日で検査を終えられます。

最短で車検を受けたい、という方にはユーザー車検がおすすめです。

ユーザー車検のデメリット

費用が安い、短時間で検査ができるなどのメリットがあるユーザー車検ですが、以下5つのデメリットもあります。

  1. ある程度の時間や手間がかかる
  2. 検査場に持ち込み可能な時間や曜日が決まっている
  3. 検査不合格になる可能性がある
  4. 検査で不適合箇所があった場合、整備が必要になる
  5. 法定点検ができていないため、別途整備費用がかかる

それぞれ詳しく解説していきます。

1.ある程度の時間や手間がかかる

検査に必要な書類の作成、税金や保険の支払いなど、車検にかかる全ての手続きを自分自身で行う必要があるため、準備から検査完了までにある程度時間がかかります。

準備に時間を割くことが難しい方には、ユーザー車検はハードルが高く感じるかもしれません。

2.検査場に持ち込み可能な時間や曜日が決まっている

検査場の営業日時は限られていて、ユーザー車検が受けられるのは基本的に平日の日中のみであるため、この時間に検査場への持ち込みが難しい場合はユーザー車検を受けることができません。

また、混雑時にはなかなか予約が取れず、希望の日時に検査が受けられないという可能性もあります。仕事などの都合で平日に休みが取れない方は、事前に有給を使うなどの準備が必要です。

3.検査不合格になる可能性がある

整備不良や検査時の操作ミスなどにより検査が不合格になることもあります。1箇所でも不適合があると不合格になってしまうため、問題箇所の確認は必ず行いましょう。

ユーザー車検の場合、不合格が出ても当日中であれば最大2回まで無料で再検査を受けることが可能です。

修理や整備に時間がかかるため当日中に検査が受けられない場合、専用の検査証を発行してもらうことで15日以内であれば再検査ができます。期限の15日を過ぎてしまうと検査手数料も再度かかるため、注意が必要です。

また、車検時の車の操作も自身で行うため、不慣れな方は操作ミスにより不合格になってしまうケースもあります。

4.検査で不適合箇所があった場合、整備が必要になる

整備不良などが原因で検査が通らなかった場合、その箇所の整備に追加で費用がかかることがあります。

その場で対処ができる方であれば問題ありませんが、不慣れな方はディーラーや整備店に依頼しなければなりません。

前述のとおり、ユーザー車検の再検査期限は15日以内とされているため、整備の予約や引き渡しなどで時間がかかって15日を過ぎてしまうと、再度検査料を支払わなければならなくなるため注意が必要です。

5.法定点検ができていないため、別途整備費用がかかる

車検は、安全面・環境面などが公道を走るための保安基準に適合しているかどうかの検査です。それとは別に、車の故障を防ぐための「法定24ヶ月点検」を受ける必要があります。

ディーラーや整備店で車検を受ける際は、車検と法定点検を同時に行えるように費用が追加されていることが多いですが、ユーザー車検はあくまで「車検」のみになるため、法定点検を別途受けなければなりません。

法定点検は自分自身で行うことは難しいため、専門業者に依頼することが一般的です。

ユーザー車検の対象車両は?

ユーザー車検とディーラー車検、どちらの場合でも対象車両の基準は同じです。普通乗用車と軽自動車それぞれに、検査対象となる車両の規格や定義が定められています。

小型乗用車・普通乗用車

「小型乗用車」とは、以下の4つの規格に該当する乗用車のことを指します。

  • 排気量2,000cc以下
  • 全長4.7m以下
  • 全幅1.7m以下
  • 全高2.0m以下

また、普通乗用車は上記の規格を1つでも上回っているものを指します。

軽自動車

三輪・四輪自動車のうち、以下の4つが軽自動車の規格として制定されています。

  • 排気量660cc以下
  • 長さ3.4m以下
  • 幅1.48m以下
  • 高さ2.0m以下

対象外の車両はある?

車検を受ける必要のない車両は「検査対象外軽自動車」と呼ばれ、以下のようなものが該当します。

  • 一定排気量以下(250cc以下)の普通自動二輪車
  • 総排気量660cc以下のスノーモービルなどカタピラやそりを有するもの

これらの車両を使用するためには陸運局などに必要な書類を提出し、車両番号標の指定を受けなければなりません。

ユーザー車検の流れ

ここからは、ユーザー車検を受ける際の流れをご紹介します。

車検の手順を理解しておくことで、準備がスムーズに進みますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.陸運局または軽自動車検査協会に車検予約をする

通乗用車であれば「陸運局」に、軽自動車であれば「軽自動車検査協会」に車検の予約が必要です。

予約方法に関しては、普通乗用車の場合は国土交通省が管理しているインターネット予約システムから予約しなければならず、電話予約不可となっていますので注意しましょう。

軽自動車検査協会への予約に限っては、ネットと電話の両方で予約ができます。

検査場により多少違いがある場合もありますが、一般的には車検を受ける日の2週間前から予約が可能ですので、受けたい日にちが決まっている場合は早めに予約をしておきましょう。

2.法定点検を受ける(車検後でも可)

ユーザー車検を受ける場合は、法定点検を別途予約して行う必要があります。

法定点検は車検の前後どちらに実施しても問題ありませんが、事前に点検しておくことで車検の検査が通りやすく合格率も高くなるため、車検前に受けておくことをおすすめします。

点検時に交換や修理が必要な箇所があれば調整・交換をしましょう。また、事前に法定点検を受けた場合は、その工場や店舗で「点検整備記録簿」にチェックをしてもらう必要があります。

この点検整備記録簿は、車検の際に提出しなければならない書類の1つですので、忘れずに準備しておきましょう。

3.車検に必要な書類を準備する

必要書類には車検証や納税証明書など事前に準備しておくものと、手数料納付書などの当日に窓口で受け取って記入するものがあります。

陸運局や軽自動車検査協会に持ち込んで車検を受ける場合に必要な書類は以下のとおりです。

不備や抜かりがあると検査が受けられない恐れがありますので、下記の表をしっかり確認して準備しましょう。

事前に準備するもの

当日受け取るもの

車検証

継続検査申請書(3号様式)

自動車税納税証明書

自動車重量税納付書

自賠責保険証明書

自動車検査票

点検整備記録簿(検査前に定期点検を行った場合)

手数料納付書

使用者の認印

4.検査場で検査を受ける

事前に予約した検査場で車検を受けます。自分自身で車を操作し、検査員の指示に従いながら検査コースや項目を進めていきます。

車の整備に問題がなくても、操作をミスにより検査不合格となってしまう可能性があるため注意しましょう。車検を受ける前に検査コースを見学することも可能なので、不安な方は事前に確認しておくと安心です。

外回り検査、ブレーキ検査、ヘッドライト検査などさまざまな項目からチェックを行います。

5.検査結果確認・新しい車検証の受け取り

検査項目を問題なくクリアし合格判定をもらうことができれば、事前に準備しておいた書類などを提出します。

そこで新しい車検証とステッカー(検査標章)を受け取り、ユーザー車検は終了です。

万が一ここで検査不合格となってしまった場合、大きく分けて3つの手段があります。

  • 当日にもう一度再検査を受ける
  • 15日以内に整備・検査を受ける
  • 15日経過後に再度車検を受ける

ユーザー車検の場合、当日中であれば一度不合格になってから2回まで再検査を受けることが可能です。その日のうちに整備・点検が可能な場合は当日中の再検査を目指しましょう。

当日の整備・点検が難しく一度持ち帰る場合は、15日以内であれば再検査が受けられる「限定自動車検査証」の発行を依頼しましょう。

整備店で不合格箇所を整備し、15日以内に再度検査を受けることで新しい車検証を受け取ることができます。

限定自動車検査証の有効期限が過ぎてしまった場合は、再度車検予約・検査料の支払いをしなければなりません。

車検切れのリスクもありますので、余裕をもって検査を受けるようにしましょう。

ユーザー車検の費用はどれくらい?

持ち込みで車検を受ける場合具体的な費用はどれくらいで、ディーラー車検と比べて費用はどの程度違うのでしょうか。

ユーザー車検の場合は、特に整備不良や部品交換などの問題がない場合法定費用のみで車検を受けることが可能です。

法定費用は「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」の3つからなり、車種や車両重量ごとに金額が決まっています。

そのためどこで車検を受けても同じ費用となっていますが、車検を受ける車が普通乗用車なのか軽自動車なのかによって少し差があるのです。

自賠責保険料

対人に関してのみ損害補償を行うもので、車を所有している場合は必ず加入が必要です。車検満了日に基づき算出され、24ヶ月または25ヶ月目から2年ごとに契約が更新されます。

項目24ヶ月25ヶ月36ヶ月37ヶ月
普通乗用車17,650円18,160円23,690円24,190円
軽自動車17,540円18,040円23,520円24,010円
(参考:損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表」)

自動車重量税

車の重量に基づいて課される税金で、特定の車種ではエコカー減税制度を利用することで税金が軽減されることがあります。

新車であれば最初の支払いは3年分となり、その後は車検と同じタイミングで2年分をまとめて支払う仕組みです。

項目

エコカー

エコカー(本則税率)

12年経過まで

13年経過

18年経過

軽自動車※二輪除く

免税

5,000円

6,600円

8,200円

8,800円

0.5t以下

5,000円

8,200円

11,400円

12,600円

~1.0t

10,000円

16,400円

22,800円

25,200円

~1.5t

15,000円

24,600円

34,200円

37,800円

~2.0t

20,000円

32,800円

45,600円

50,400円

~2.5t

25,000円

41,000円

57,000円

63,000円

~3.0t

30,000円

49,200円

68,400円

75,600円

(参考:国土交通省「継続検査等時における自動車重量税の税額」)

印紙代

登録や検査手数料としてかかるもので、依頼先の工場により金額が異なります。

項目

指定工場

認証工場

軽自動車

1,800円

2,200円

5ナンバーの普通自動車

1,800円

2,300円

3ナンバーの普通自動車

(参考:国土交通省「登録・検査手数料一覧表」)

指定工場と認証工場の違いは、その工場で車検検査ができるか否かという点です。

指定工場には検査員や検査ができる設備がそろっているため、その工場で車検が受けられるのに対し、認証工場は陸運局などに車両を持ち込んで検査を行います。

ディーラー車検との費用比較

ユーザー車検でもディーラーや整備店に持ち込む車検の場合でも、法定費用は同じです。

費用の差は車検基本料にあり、これには代行手数料や任意の部品交換代などがプラスされています。

ディーラーや自動車整備店、ガソリンスタンドなど依頼先により車検基本料には違いがありますが、普通乗用車の場合であれば法定費用+20,000円〜40,000円程度であることが多いです。

とくにディーラーに車検依頼した場合、安心パックや点検サービスなどがセットになっている場合も多く、より安心感のある整備が可能ですが、その分費用が高くなる傾向にあります。

まとめ

ユーザー車検は、事前準備から当日の検査まで自分自身で行うことで、車検にかかる費用を大幅に抑えることができます。

また、検査中の操作ミスや整備不良により検査不合格などのデメリットも存在しますが、車検の準備や手続きを通して自分の車の状態が詳しく知れたり、車に関する知識が身につくことも大きなメリットの1つと言えるでしょう。

本記事を参考に、ユーザー車検の流れを理解したうえで検査を受けてください。

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