初のFFレイアウトのミニバンとして登場し、日本のミニバンブームを牽引してきたステップワゴンは、新型が登場するたびに新しい機構とコンセプトで話題を集めています。今回は、今ではファミリーカーの定番となったステップワゴンの新旧モデルを比較して、それぞれの特徴をご紹介しましょう。
旧モデル(2009年~2015年)の特徴
2009年に登場した先代モデルにあたる4代目のステップワゴンは、それまで設定されていた2.4Lエンジンを廃止して2.0Lに一本化しました。そしてトランスミッションにFFはCVTが、4WDには5速ATが採用され、「スパーダ」にはパドルシフトが備えられていました。また、セールス的に失敗だった3代目に比べ全長を50mm、全高を45mmそれぞれ延長されつつも5ナンバーサイズに収められています。また、ガラスエリアを拡大し、一部タイプには世界最大級のガラス面積のスカイルーフを設定しています。その他の特徴としては、簡単に床下に格納できる「3列目床下格納シート」を採用しました。
現行モデル(2015年~)の特徴
2015年4月に登場した5代目となる現行モデル最大の特徴は、そのパワーユニットにあります。1.5Lの直噴ターボエンジンに変更され、ターボチャージャーのよる過給で2.0Lエンジンと変わらぬ動力性能を維持しつつ、1.5Lエンジンの低燃費性能を持たせるという画期的な返還を成し遂げたのです。また、16.2㎞/Lという低燃費性能だけでなく税率もワンランク下になるので、経済性という意味でもメリットが大きいパワーユニットとなります。
また、2017年9月には「SPORT HYBRID i-MMD」を採用した2.0Lのハイブリッド車を新設定し、こちらはトヨタのノアに代表されるハイブリッド車とは異なり、EV走行の割合が多く、低速域ではエンジンを使わずほぼEVとして走ることが可能になり、低燃費性能においては25.0㎞/Lというクラストップとなっています。
その他では、テールゲートに横開き式のサブドアを組み合わせた「わくわくゲート」と3列目シートを左右分割して床下に格納できる「マジックシート」という新機構が特徴となっています。
わくわくゲート
クルマの後ろにスペースがない場合でも、後ろのドアをヨコに開ければ荷物の積みおろしもラクラク。3列目シートから乗り降りする時にも便利。 テールゲートが入り口になることで、3列目へのアクセスが驚くほど簡単に。
マジックシート
肩口のストラップを引いて前に倒して、軽々操作で床に押し込めばフラットなラゲッジスペースに。3列目シートが分割で床下に格納でき、シートアレンジも広がります。
安全性能
旧型と新型の最大の違いがこの安全性能にあります。現行モデルでは発売当初から安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプにメーカーオプション設定。そして、現在では歩行者事故低減ステアリング機能や、ハイブリッド車には渋滞追従機能を搭載するなど機能を強化し、前タイプ標準装備とされています。もし、中古車を探すのなら、この「Honda SENSING」の有無が最大の検討ポイントとなります。
まとめ
もはやファミリーカーの定番として定着したミニバンは、現在、日産、トヨタ、ホンダから魅力的な車種が発売されています。広い室内スペースは5ナンバーサイズという枠の中ではどのモデルも大差なく、その差別化はパワーユニットと機能面そして安全性能にあります。ステップワゴンはそのパワーユニットと機能面で大胆な戦略を取り、あまりの先進性にユーザーが付いてこられないということもありますが、先進性と他にないアイデアという意味では断トツの存在で、旧型も中古車では人気車種のひとつになっています。5ナンバーサイズにこだわってミニバンを選ぶなら、新旧問わず、まずはステップワゴンを検討してみてはいかがでしょう。