家族や友人とのドライブで「大人5人がゆったり乗れる車」を探している方には、広々とした室内空間と高い快適性を兼ね備えたミニバンがおすすめです。
移動中もリラックスでき、荷物もたっぷり積めるため、日常使いからレジャーまで幅広く活躍します。
しかし、ひとくちにミニバンといってもさまざまなサイズのものがあります。
例えば、「普段は運転のしやすいコンパクトなサイズのミニバンがいいけど、いざというときには大人が5人ゆったり乗れる車がいい」という場合にはどのような車種があるのでしょうか。
そこで本記事では、「大人が5人乗る」ことを念頭に、選ぶ際のポイントとおすすめのミニバンを5つご紹介します。
\YouTubeでもミニバンについて解説していますのでチェックしてください!/
ゆったり乗れるミニバンのポイント
大人がゆったり乗れるミニバンについて、ここでは以下5つのポイントに着目して解説します。
- 室内空間の広さ
- シートの快適さ
- トランクスペースの広さ
- 装備の充実さ
- シートアレンジの設定
室内空間の広さ

ミニバンを選ぶ際のポイントで「ゆったり乗れる」ことを念頭に置く場合には、室内空間の広さが挙げられます。
座席に余裕があるだけでなく、ウォークスルーができるか、床がフラットで足元が広い設計になっているか、といったことも大切です。
車両が大きければ必然的に室内空間も大きくなる傾向にありますが、床のフラットさやタイヤハウスの干渉などによって同クラスのミニバンでも室内空間の広さは変わります。
購入する際には車体サイズ以外にも、室内空間の広さについても確認をするようにしましょう。
シートの快適さ

シートの快適さは長距離ドライブの際に非常に重要です。座ったときの姿勢やシートの硬さに加えて、リクライニング機能やオットマンがあるかどうかも、快適にくつろげるかどうかに大きく関わってきます。


また、上位グレードのミニバンでは、シートヒーターやベンチレーション(送風)機能が付いていることもあり、さらに快適に過ごせます。
シートの快適性については、数値等のスペックでは把握しづらい部分もあるので、可能であれば実車を確認して感覚を確かめると良いでしょう。
トランクスペースの広さ

大容量のトランクスペースは、家族旅行など多くの荷物を運ぶ際に役立ちます。
シートを倒して平らにすることができるタイプや、二段式の収納スペースがあると、荷物の配置がさらに柔軟になります。
足元に荷物を置かずに済めば足元が広くなり、よりリラックスして移動をすることができるでしょう。
装備の充実さ
最新のミニバンには、運転支援機能やエンターテインメントシステムが装備されています。
自動ブレーキや車線維持アシストなどの安全機能は、ドライバーだけでなく、同乗者にも安心感を与えます。エンターテインメントに関しては、後部座席用のモニターやUSBポートがあると、同乗者が長時間のドライブでも楽しむことができます。
また、天井にサンルーフが用いられていたり窓が大きかったりすれば、実際の室内空間以上に開放感を感じられ、移動をよりゆったりとしたものにすることができるでしょう。
シートアレンジの設定
シートのアレンジが自由にできるミニバンは、多様なシーンに対応できます。
例えば、座席を前後にスライドさせたり、座席を折りたたんでフラットにすることでトランクスペースを拡張できます。
おすすめのミニバン
ここからは、コンパクトな車種も含めた「ゆったり乗れる」おすすめの車種を5つご紹介します。
【ホンダ】フリード(2代目)
ホンダの代表的なミニバン「フリード」の2代目は、2022年6月~2024年5月まで販売されていたモデルです。
コンパクトサイズのちょうどいいミニバンとして、フリードはファミリー層に人気のある車で、乗車人数は主に6人~7人となっています。(福祉車両などを除く)
グレード | 動力源 | 乗車人数 | 車両重量 | 総排気量 | 燃費 |
---|---|---|---|---|---|
ハイブリッド G | ハイブリッド | 6/7人 | 1,410~1,500kg | 1.5L | 19.8~20.9km/L |
ハイブリッド クロススター | ハイブリッド | 6人 | 1,440~1,520kg | 1.5L | 19.8~20.9km/L |
G | ガソリン | 6人 | 1,350~1,440kg | 1.5L | 15.6~17.0km/L |
クロススター | ガソリン | 6人 | 1,380~1,460kg | 1.5L | 15.6~17.0km/L |
2代目フリードのボディサイズは、全長4,265mm×全幅1,695mm×全高1,710mm(FF)で、ホイールベースは2,740mmと、5ナンバーサイズの大きさでありながらも居住性を犠牲にせず、取り回しのしやすさを実現しています。
先代と比較してホイールベースは変わらないながらも、ヒップポイントを90mm拡大するとともに、2列目のスライド幅も120mm拡大することで、1列目から3列目まで大人が快適に座れるスペースを確保しています。
グレード |
全長 |
全幅 |
全高 |
最小回転半径 |
ハイブリッド G |
4,265mm |
1,695mm |
1,710〜1,735mm |
5.2m |
ハイブリッド クロススター |
||||
G |
||||
クロススター |
シートアレンジも1列目と2列目、2列目と3列目でのアレンジが可能であり、フラットに近い車内で寝転んだり、大きなラゲッジスペースを有効活用したりと、車を利用する人数や荷物の多さに応じてさまざまな使い方ができる、マルチな存在なのです。
リアハッチの開口部は、最大幅1,080mm、最大高さ1,255mmと大型で、開口部地上高も335mmと、荷物の積み下ろしを考えられた設計になっています。
コンパクトで取り回しがしやすいコンパクトボディでありながらも、様々な工夫が凝らされたホンダフリードはおすすめの一台です。
【トヨタ】シエンタ(3代目)
トヨタのコンパクトミニバンである「シエンタ」は2022年8月に販売が開始されたモデルです。
「シカクマルシルエット」と呼ばれる独特のデザインは、親しみやすさと機能性を兼ね備えています。豊富なカラーバリエーションが用意されているのも魅力です。
3列シートをもつミニバンとしては国産最小クラスであり、ホンダの「フリード」がライバル車として挙げられます。
グレード |
動力源 |
乗車人数 |
車両重量 |
総排気量 |
燃費 |
Z |
ハイブリッド |
5〜7人 |
1,350〜1,430kg |
1.5L |
25.3〜28.4km/L |
G |
ハイブリッド |
1,340〜1,410kg |
25.3〜28.4km/L |
||
X |
ハイブリッド |
1,330〜1,400kg |
25.3〜28.8km/L |
||
Z |
ガソリン |
1,280〜1,300kg |
18.3〜18.4km/L |
||
G |
ガソリン |
1,280〜1,300kg |
18.3〜18.4km/L |
||
X |
ガソリン |
1,270〜1,290kg |
18.3〜18.4km/L |
※燃費はWLTCモード
シエンタはコンパクトな外観ながらも広々とした室内空間を確保しており、特に2列目シートの足元スペースが広く設計されているので、大人5人が快適に座れるようになっています。
また、床面が低くフラットな設計となっているので乗り降りがスムーズに行え、全年齢の方が安心して乗車することができます。
グレード |
動力源 |
全長 |
全幅 |
全高 |
最小回転半径 |
Z |
ハイブリッド |
4,620mm |
1,695mm |
1,695〜1,715mm |
5m |
G |
ハイブリッド |
||||
X |
ハイブリッド |
||||
Z |
ガソリン |
1,695mm |
|||
G |
ガソリン |
||||
X |
ガソリン |
荷室スペースの使いやすさも優れており、シートアレンジによって大きな荷物も簡単に収納することができます。
カップホルダーや運転席アッパーボックス、シフトサイドポケットなど、細かい部分まで使い勝手を高める工夫がされていて、ゆったり室内で過ごせるようになっています。
【ホンダ】ステップワゴン(5代目・RP系後期)

ホンダの「ステップワゴン」の5代目は、2017年9月〜2022年5月まで販売されていたモデルです。
グレード | 動力源 | 乗車人数 | 車両重量※ | 総排気量 | 燃費 |
---|---|---|---|---|---|
e:HEV スパーダ・G・EX ホンダセンシング | ハイブリッド | 7人 | 1,820kg | 2.0L | 25km/L |
e:HEV スパーダ・G ホンダセンシング | ハイブリッド | 7/8人 | 1,790kg | 1.5L | 15.0〜15.4km/L |
スパーダ・クールスピリット ホンダセンシング | ガソリン | 7/8人 | 1,700~1,770kg | 1.5L | 15.4〜15.8km/L |
スパーダ・ホンダセンシング | ガソリン | 7/8人 | 1,680~1,750kg | 1.5L | 15.2〜15.8km/L |
G・EX ホンダセンシング | ガソリン | 7/8人 | 1,680~1,750kg | 1.5L | 15.2〜15.8km/L |
G・ホンダセンシング | ガソリン | 7/8人 | 1,660~1,740kg | 1.5L | 15.2〜15.8km/L |
全長は4,760mm、全幅1,695mm、全高1,840mm(e:HEV スパーダ G・EX ホンダセンシング)となっていて、「フリード」よりも一回り大きく、7人〜8人の乗車人数が設定されています。
車内で過ごす時間を重視した「ビューティリティ リビング」(「Beauty」と「Utility」の融合)をコンセプトに、質感や利便性を高く設定し、車に乗る人みんなが快適に過ごせる室内空間です。
グレード |
全長 |
全幅 |
全高 |
最小回転半径 |
e:HEV スパーダ・G・EX ホンダセンシング |
4,760mm |
1,695mm |
1,840mm |
5.4m |
e:HEV スパーダ・G ホンダセンシング |
4,760mm |
1,840〜1,855mm |
FF:5.7m(5.4m) |
|
スパーダ・クールスピリット ホンダセンシング |
4,760mm |
1,840〜1,855mm |
||
スパーダ・ホンダセンシング |
4,760mm |
1,840〜1,855mm |
||
G・EX ホンダセンシング |
4,690mm |
1,840〜1,855mm |
||
G・ホンダセンシング |
4,690mm |
1,840〜1,855mm |
※()は4WD
室内寸法については、室内長3,220mm、室内幅1,500mm、室内高1,405mm(同グレード)となっており、大人5人がゆったり乗るには十分な広さが確保されています。
特に足元空間が広く設計されているので、足を伸ばしてリラックスでき、長時間の移動でも疲れが溜まりにくくなっています。
室内寸法については、ライバル車であるトヨタの「ヴォクシー(3代目)」と比較すると、室内長で290mm、室内高で5mm(ハイブリッド車)、25mm(ガソリン車)上回っていますが、室内幅は40mm短いです。
ガソリン車については25mmも高くなっているため、感覚的にも室内空間が広く感じられるでしょう。

3列シートはフルフラットにアレンジ可能で、乗員が少ないときには床下に完全に格納できます。
この「マジックシート(3列目分割床下格納シート)」機能により、荷室空間が広がり、荷物が多い時でも大人5人がゆったりくつろげるスペースを確保できます。

そして、細かい部分ではファミリー層をターゲットにしているステップワゴンには、インパネアッパーボックスにティッシュボックスなどを収納できるなど、車内で快適に過ごすための工夫にも富んでいます。収納をスマートにしてスペースを効率的に利用できれば、その分人がくつろぐことができるようになります。

【日産】セレナ(5代目・C27系後期)

セレナのボディサイズは、グレードによって異なり、基本グレードの「X」「XV」では全長4,685mm×全幅1,695mm×全高1,865mm、エアロボディの「ハイウェイスターV」や「e-POWER ハイウェイスターV」では全長4,770mm×全幅1,740mm×全高1,865mmです。
グレード | 動力源 | 乗車人数 | 車両重量 | 総排気量 | 燃費 |
---|---|---|---|---|---|
X | ハイブリッド | 8人 | 1,650kg〜1,750kg | 2.0L | 13.2km/L |
XV | ハイブリッド | 8人 | 1,680kg〜1,770kg | 2.0L | 13.2km/L |
ハイウェイスターV | ハイブリッド | 8人 | 1,720kg〜1,790kg | 2.0L | 13.2km/L |
e-POWER XV | e-POWER | 7人 | 1,760kg | 1.2L | 18.0km/L |
e-POWER ハイウェイスターV | e-POWER | 7人 | 1,780kg | 1.2L | 18.0km/L |
e-POWER ハイウェイスターG | e-POWER | 7人 | 1,780kg | 1.2L | 17.2km/L |
セレナの最大の特徴は広大な室内空間で、当時「全高1.8m以上の1.2〜2.0Lクラス 7/8人乗りミニバン」の中で最も室内空間が広いミニバンとして謳われていました。室内長は3,240mm(Xグレードは3,170mm)、室内幅1,545mm、室内高1,400mmという広さを確保しています。
グレード |
全長 |
全幅 |
全高 |
最小回転半径 |
X |
4,685mm |
1,695mm |
1,865mm |
5.5m |
XV |
4,685mm |
1,695mm |
5.5m |
|
ハイウェイスターV |
4,770mm |
1,740mm |
5.7m |
|
e-POWER XV |
4,685mm |
1,695mm |
5.5m |
|
e-POWER ハイウェイスターV |
4,770mm |
1,740mm |
5.5m |
|
e-POWER ハイウェイスターG |
4,770mm |
1,740mm |
5.7m |
ハイブリッドモデルは8人乗り、e-POWERモデルは7人乗りの設定となっており、特にe-POWERモデルのセカンドシートは両側アームレスト付きのキャプテンシートを採用しています。
ハイブリッドの8人乗りには「スマートマルチセンターシート」を採用し、セカンドシートのスライド機構や横スライド機構も活用すれば、多様なシーンに対応可能です。

↓

「ウォークスルーモード」で車内移動もスムーズで、1列目から3列目まで大人がゆったり座れるスペースも確保しています。さらに、シートアレンジも多彩で、用途に応じた使い方ができます。

使い勝手のいい5代目セレナは、ファミリー層や大人5人がゆったりと乗車できるミニバンとしておすすめです。
【トヨタ】ヴォクシー(3代目・後期)

グレード | 動力源 | 乗車人数 | 車両重量 | 総排気量 | 燃費 |
---|---|---|---|---|---|
ZS 煌Ⅲ | ガソリン | 7〜8人 | 1,690kg | 2.0L | 12.2〜13.2km/L |
ZS 煌Ⅲ | ハイブリッド | 7人 | 1,630kg | 1.8L | 19.0km/L |
トヨタの「ヴォクシー(3代目)煌Ⅲ」は、「ZS」をベースとした特別仕様車で、2020年10月に発売されたモデルです。
ハイブリッド車とガソリン車のラインアップがあり、力強く迫力のあるエクステリアデザインと特別仕様車専用の上級装備が人気を博しています。
ボディサイズは全長4,710mm×全幅1,735mm×全高1,825mmです。
グレード |
動力源 |
全長 |
全幅 |
全高 |
最小回転半径 |
ZS 煌Ⅲ |
ガソリン |
4,710mm |
1,735mm |
1,870mm |
5.5m |
ZS 煌Ⅲ |
ハイブリッド |
1,825mm |
ヴォクシー煌Ⅲの最大の魅力はその広々とした室内寸法にあり、寸法は室内長2,930mm×室内幅1,540mm×室内高1,400mmです。前後左右に十分な余裕があり、長距離ドライブでも乗員全員がリラックスして過ごせます。
特に室内高1,400mmは、大人が車内で不自由なく移動できるほどの高さがあり、車内での動きやすさも確保されています。
7人乗りモデルでは2列目にゆとりのあるキャプテンシートを採用しており、独立した座席と両側のアームレストによって、長時間の移動でも快適な姿勢を保てます。8人乗りモデルでも3列すべてに大人が座っても窮屈さを感じないスペースを確保しています。

両側パワースライドドアの採用により、乗り降りもスムーズで、特に後部座席への乗り込みが容易になっています。これにより、大人数での移動時にも全員がストレスなく乗り降りできる利便性を実現しています。
シートアレンジも豊富で、例えば3列目を跳ね上げれば広い荷室スペースを確保でき、荷物が多い場合でも前列の乗員がゆったりと過ごせるスペースを損なわずに対応できます。さらに2列目と3列目をフラットにすることで、車内で休憩するためのスペースも作れます。


ヴォクシー煌Ⅲは、大人5人がゆったりと乗れる設計となっており、家族での長距離旅行やグループでのレジャー、日常の送迎など、様々なシーンで快適な移動空間を提供するミニバンとしておすすめです。

まとめ
ミニバンは人や荷物を一度に多く運ぶことができる便利な車です。
サイズもさまざまあり、コンパクトサイズのミニバンは大型のモデルと比べると小さくはなりますが、低床設計や荷物スペースを効率化することで限られた車内スペースを有効に活用することで大人が5人ゆったり乗ることも可能です。
本記事を参考に、ご自身の目的にあったミニバンを見つけてください。