こんにちは!アイカーマガジン編集部です!
80系ヴォクシー後期(2017年7月〜)と販売時期が重なるヴェルファイアは、基本的に30系前期モデルにあたります。ただし、2018年1月には30系ヴェルファイアの後期モデルも登場しています。そこで本記事では、後期モデル同士で比較します。
後期モデル同士で比較する理由はほかにも、両車ともToyota Safety Senseの第2世代を標準装備するモデルが設定されており、現代の基準に照らしても十分な安全性能を備えた状態で検討できるためです。
【編集注】本記事は特定グレード同士の1対1比較ではなく、同時期の中古市場で検討対象となりやすい両車種の総合比較です。両車は車格・価格帯が異なるため、後述の「予算別グレード対応表」もあわせてご確認ください。
ヴォクシーとヴェルファイアの違いとは?
はじめに、ヴォクシーとヴェルファイアの根本的な違い・スペックの比較を簡単にご紹介します。
車のコンセプト・開発思想の違い
30系ヴェルファイア

30系ヴェルファイアは、兄弟車であるアルファードと基本構造となっています。
しかし、目指した方向性は大きく異なります。アルファードが「豪華・勇壮」をテーマに掲げたのに対し、ヴェルファイアは「スポーティ」「エモーショナル」「力強さ」を前面に押し出しました。
特にエアロモデルのフロントマスクが放つ迫力と金属を削り出したような存在感は、アルファードとの明確な差別化を図っています。
80系ヴォクシー

一方、80系ヴォクシーの開発キーワードは「Spacious FUN Box」です。
Fun(快適性)、Utility(使用性)、Nenpi(燃費)という、ファミリーカーに求められる3つの要素を高次元で融合させたスペースミニバンとして誕生しました。
取り回しの良い5ナンバーサイズの枠組みのなかで限界まで広げた室内空間と、日常の足として使い倒せる実用性の高さが、長く支持され続ける理由です。
ボディサイズ・基本スペックの比較
ミニバンを選ぶうえで、取り回しの良さと室内の広さに直結するボディサイズは最も慎重に見極めたいポイントです。
| 80系ヴォクシー後期 | 30系後期ヴェルファイア | |
|---|---|---|
| グレード | Xグレード | Xグレード |
| 全長(mm) | 4,695 | 4,930 |
| 全幅(mm) | 1,695 | 1,850 |
| 全高(mm) | 1,825[1,865] | 1,935[1,950] |
| ホイールベース(mm) | 2,850 | 3,000 |
| 最小回転半径 | 5.5m(2WD) | 5.6m |
| エンジン排気量 | 2.0L(ガソリン)/1.8L(HV) | 2.5L〜3.5L |
| 車格 | コンパクトミニバン(5ナンバー準拠) | ラージプレミアムミニバン(3ナンバー) |
数値を見比べると、ヴェルファイアが二回りほど大きいことがわかります。
特に全幅1,850mmというサイズは、都市部の細い路地や古い立体駐車場で気を遣う場面が出てきます。
逆にヴォクシーは標準グレードで全幅を1,695mmに抑えており、最小回転半径も5.5mと小回りが利くため、運転に不慣れな家族と車を共有する場合でも安心感があります。
グレード構成と選び方のポイント
ここでは30系後期ヴェルファイア、80系後期ヴォクシーのグレード構成についてご紹介します。
30系後期ヴェルファイアのグレード構成
ヴェルファイア30系後期は、「2.5L」「3.5L」のガソリン車とハイブリッド車(2.5L)、さらに「標準ボディ」と「エアロボディ(Z系)」の組み合わせで多彩なグレード構成となっています。
エントリーグレードの「2.5X」から最上級の「3.5 Executive Lounge Z」まで幅広く設定されており、それぞれ内装の素材感・快適装備の充実度が大きく異なります。
中古市場で狙いやすいのは「Z」「Z Aエディション」「Z Gエディション」といったエアロボディ系のグレードです。
これらは標準ボディの「X」「V」に比べてフロントバンパーやサイドスカートなどのエアロパーツが標準装備されており、ヴェルファイアらしいアグレッシブな外観を楽しめます。
最上級グレードの「Executive Lounge」では、プレミアムナッパ本革シートや電動オットマン付きリラックスキャプテンシートが備わり、まさに移動する高級サロンといえる空間を提供します。

80系後期ヴォクシーのグレード構成
ヴォクシー80系後期は、ガソリン車(2.0L)とハイブリッド車(1.8L+モーター)の2つのパワートレインに、「X(エントリー)」「V(上位)」「ZS(エアロ)」の3グレードが基本構成です。
中古市場で最も流通量が多く人気が高いのが「ZS」および特別仕様車の「ZS 煌(きらめき)」シリーズで、メッキ加飾付きフロント大型バンパーや16インチ切削光輝アルミホイールが標準装備されています。

一方、内装の質感を求める方には「V」グレードも見逃せません。
クルーズコントロール、自動防眩インナーミラー、ナノイー機能付きエアコン、6スピーカーなど、ZSでは省かれている快適装備が充実しているため、外見よりも乗り心地重視の方にはこちらが向いています。
予算別グレード対応表
「同じ予算なら、どちらの車種のどのグレードが狙えるか?」という視点は、両車を比較するうえで欠かせません。
そのため、中古車市場の実勢価格をもとに整理しました。
| 予算帯(諸費用込み) | 80系ヴォクシー後期で狙えるグレード | 30系ヴェルファイア後期で狙えるグレード |
|---|---|---|
| ~200万円 | ZS(2018〜2019年式)、V(2018年式) | 2.5X(2018年式・走行多め)がギリギリ |
| 200〜250万円 | ZS 煌II〜III(2019〜2020年式)の良質個体 | 2.5X〜2.5Z(2018年式・標準的な状態) |
| 250〜300万円 | ハイブリッドZS・ハイブリッドV(2020〜2021年式) | 2.5Z〜2.5Z Aエディション(2018〜2019年式) |
| 300〜400万円 | ハイブリッドZS 煌II〜III(最上位・2021年式前後) | 2.5Z Gエディション〜3.5Z G(2018〜2020年式) |
| 400万円〜 | ヴォクシー80系の対象外(新車相場を上回る) | 3.5 Executive Lounge(2019〜2021年式) |
この表から読み取れる最大のポイントは、ヴォクシーの最上位グレード(ハイブリッドZS 煌III)の価格帯が、ヴェルファイアのエントリーグレード(2.5X)の価格帯とほぼ重なっているという事実です。
つまり「ヴォクシーの頂点=ヴェルファイアの入口」という車格の差が明確に存在します。
予算300万円以上あるならヴェルファイアの中位グレード(Z Gエディション)にも手が届き始めるため、選択肢の幅が一気に広がります。
外観(エクステリア)の違い
ここでは30系後期ヴェルファイア、80系後期ヴォクシーの外観についてご紹介します。
30系後期ヴェルファイアの外観
ヴェルファイアのエクステリアは、押し出しの強いフロントフェイスが最大の特徴です。
後期型へのマイナーチェンジが行われた2018年1月以降のモデルでは、ヘッドランプからフロントグリル、バンパーに至るまで意匠が大きく刷新されました。
メッキ加飾がより太く立体的になり、ダイナミックでアグレッシブな表情が強調されています。
兄弟車であるアルファードの王道的な高級感とは一線を画す、ワイルドでスポーティなオーラがヴェルファイアならではの魅力です。
80系後期ヴォクシーの外観


対するヴォクシーは、ヘッドランプと連続する上下二段構成のフロントグリルを採用し、開発陣が「毒気のあるデザイン」と呼ぶ独自のカッコよさを表現しています。
特に人気の高いエアロ仕様の「ZS」グレードでは、ハの字をテーマにしたスタイルで低重心を強調。
後期型からはBi-Beam LEDヘッドランプが採用されたことで、夜間はもちろん昼間でも精悍で引き締まった顔つきになりました。
室内(インテリア)の違い
ここでは30系後期ヴェルファイア、80系後期ヴォクシーの室内についてご紹介します。
30系後期ヴェルファイアの内装

高級セダンに匹敵する車内空間を目指したヴェルファイアの内装は、使われている素材の質感がずば抜けています。
削り出した金属のようなオーナメントや味わい深い木目調加飾が随所にあしらわれ、乗るたびにプレミアムな気分を味わえます。
一部のグレードにはダークトーンで統一されたスポーティな内装色も設定され、エクステリアのキャラクターと見事に調和しています。
シートアレンジの自由度も高く、助手席を最大1,160mmスライドさせることができるスーパーロングスライドシート搭載車なら、後席の子供の世話や車内での移動が驚くほどスムーズに行えます。

上位グレードの「ZG」以上では格納式テーブル付きのエグゼクティブラウンジシートが設定されており、長距離移動での疲労を大幅に軽減してくれます。
80系後期ヴォクシーの内装

ヴォクシーのインテリアは、運転席からの見晴らしと空間の広がりを最優先に設計されています。
インストルメントパネルを低くワイドに構えることで、前方だけでなく左右の死角も大幅に減らしました。
セカンドシートには、スライド量810mmを誇る超ロングスライドキャプテンシートを採用(7人乗りモデル)し、足を思い切り伸ばしてくつろげるリビングのような空間を作り出せます。

また、消臭機能付きシート表皮が設定されている点も、ファミリーユースでは日常的にありがたいポイントです。
安全装備・機能の変遷
先進安全装備の充実度は、年式によって大きく異なります。
| 30系ヴェルファイアの主な変更 | 80系ヴォクシーの主な変更 | |
|---|---|---|
| 2016年1月 | ― | Toyota Safety Sense C搭載(ハイブリッド) |
| 2017年12月 | Toyota Safety Sense・DCM全車標準 | ― |
| 2018年10月 | インテリジェントクリアランスソナー全車標準 | ― |
| 2019年1月 | ― | Toyota Safety Senseに歩行者検知機能追加 |
中古車を探す際は、これらの年式と装備の境界線を意識してみてください。
特にペダル踏み間違い時の衝突被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナーは、ヴェルファイアのような大きな車を運転するうえで心強いサポート機能となります。
なお、2020年9月にトヨタは既販売車向けのソフトウェアアップグレードサービスを開始しました。
これにより、旧世代のToyota Safety Sense搭載車(歩行者検知機能が車両のみ対応)でも、トヨタ販売店での更新作業(税込4,180円)により、昼間の歩行者検知機能を追加できるようになりました。
年式の古い中古車を購入した場合でも、販売店に確認してみる価値があります。
リセールバリューの比較

中古車選びで見落としがちなのが「リセールバリュー(将来の売却価値)」です。
購入時の価格だけでなく「将来手放すときにどれだけの価格で売れるか」を見越しておくと、トータルコストの計算が格段に精度を増します。
ヴォクシー80系は国内でも屈指の販売台数を誇るミニバンであり、特に人気グレードのZS 煌IIは5年落ちでも残価率約86.8%、ZS 煌IIIも約85.3%と非常に高い水準を維持しています。
「購入後の値落ちを最小限に抑えたい」方には、ヴォクシーの特別仕様車グレードが有力な選択肢となります。
一方のヴェルファイアは流通量が少ない分、状態の良い個体は相場が高い面もあります。
売却まで含めたトータルコストで考えると、購入価格と将来の売却見込みの差額が実質的な持ち出し額になるため、購入前にオークション相場や買取サイトで同年式・同グレードの査定額を確認しておくことを強くおすすめします。
維持費の比較
ここでは30系後期ヴェルファイア、80系後期ヴォクシーの維持費についてご紹介します。
| 80系ヴォクシー後期(目安) | 30系後期ヴェルファイア(目安) | |
|---|---|---|
| 自動車税 | 36,000円(2.0L) | 45,000円(2.5L) |
| 重量税(2年分を1年換算) | 16,400円(1.5t〜2t未満) | 20,500円(2t〜2.5t未満) |
| 燃料代(ガソリン車・年1万km) | 約117,900円(14.0km/L・165円/L) | 約158,700円(10.4km/L・165円/L) |
| 燃料代(ハイブリッド・年1万km) | 約69,300円(23.8km/L・165円/L) | 約85,100円(19.4km/L・165円/L) |
税金と燃料代(ガソリン車同士)を合計すると、ヴォクシーは約162,100円、ヴェルファイアは約220,100円です。差額は年間で約58,000円になります。
車検代や消耗品費を含めると、ヴェルファイアの方が年間トータルで10万円近く維持費が高くなる傾向があります。
ヴォクシーのハイブリッドはWLTCモードで23.8km/Lを誇り、ガソリン車との差額を加味すれば数年で取り戻せる計算です。
こんな人にはこっちがおすすめ
ここでは、それぞれの車種に向いている方の特徴を挙げてご紹介します。
ヴェルファイアが向いているのはこんな人
以下に当てはまる方には、ヴェルファイアがおすすめです。
- ミニバンにも確かな高級感と、他にはない存在感を求める人
- 王道のアルファードよりアグレッシブで個性的なデザインを好む人
- 長距離ドライブが多く、同乗者の快適性を重視する人
- エグゼクティブラウンジシートなど、上質なシートで年配の親御さんや家族をもてなしたい人
- 駐車場や道幅に余裕があり、大型ボディを苦にしない環境に住んでいる人
- 予算300万円以上を確保できる人
長距離ドライブでも疲労を感じさせない静粛性と乗り心地は、同乗者にも極上の移動体験を提供します。
所有する喜びと非日常の快適性を求めるなら、ヴェルファイアは間違いのない選択です。
ヴォクシーが向いているのはこんな人
次に当てはまる方には、ヴォクシーがおすすめです。
- 購入時の初期費用から日々の維持費まで、トータルコストを賢く抑えたい人
- 街乗りから週末のレジャーまで、実用性を最優先に考える人
- 都市部や住宅街など、取り回しの良さが求められる環境に住んでいる人
- 家族と車を共有しており、運転者を選ばない扱いやすさを重視する人
- 長く乗り続けることを前提に、整備・部品調達のしやすさを重視する人
- 予算200万円前後から検討したい人
5ナンバーサイズベースの取り回しの良さと、驚くほど広い室内空間を両立しているため、日常使いの満足度が非常に高い一台です。
流通台数の多さは部品の入手性の高さや整備費の安定にもつながり、長く乗り続けることを前提にした場合のランニングコストも低く抑えられます。
また、どちらの車種でも予算が許すのであればハイブリッド車を積極的に検討してください。
ストップ&ゴーの多い市街地での燃費に優れるだけでなく、モーター走行による静かな車内環境は一度経験するとガソリン車には戻れないほどの快適さがあります。
一部グレードで1,500Wのアクセサリーコンセントが装備され、非常時に家電を使用可能で、防災面での大きな付加価値となります。
中古車購入時のチェックポイント
どちらの車種を選ぶ場合も、以下のポイントを必ず確認してください。
- Toyota Safety Senseの世代と搭載範囲:歩行者検知・インテリジェントクリアランスソナーの有無を年式とともに確認する
- ハイブリッドバッテリーの劣化具合:走行距離が多い個体では将来的なバッテリー交換費用(数十万円)が発生する可能性がある
- スライドドアの動作確認:使用頻度が高くレールの摩耗やモーターの不具合が出やすい部位のため試乗時に必ずチェックする
- 修復歴の確認:大型ミニバンは修復歴があっても流通しているケースがあるため、第三者機関の検査済み車両を選ぶと安心
- 整備記録簿の有無:ディーラー系認定中古車や整備記録が揃っている車両は、価格が多少高くても長期的な安心感が高い
まとめ
今回は、中古ミニバン市場で比較される80系ヴォクシー後期と30系後期ヴェルファイアについて、ボディサイズ、グレード構成、内外装、安全装備、維持費、中古相場など多角的に比較しました。
毎日の送り迎えや買い物、週末のファミリーレジャーで使い倒したいなら、取り回しの良さとコストパフォーマンスに優れたヴォクシーが頼もしい存在となります。
一方、移動そのものをプレミアムな体験に昇華させたい、車に乗り込むたびにテンションが上がる一台が欲しいという方には、ヴェルファイアが圧倒的な満足感をもたらしてくれるでしょう。
大切なのは、カタログの数字やネットの口コミだけで判断しないことです。
シートの座り心地、運転席からの視界、スライドドアの開閉感など、実際に体で感じなければわからない要素が車選びには数多くあります。気になるグレードの実車を見つけたら、ぜひ試乗して全席に座り、普段よく使う道や駐車場での取り回しを体感してみてください。
ぜひ本記事を参考に、ご自身にあった一台を見つけてくださいね。


